ナポリタン
初めて作った料理はナポリタンだ
親方の作り方を 見よう見まねで 内緒で店のキッチンで 作ってみたのを覚えている。
業務用のガス台や調理器具
自分の家では使っていない高そうなバターや パスタ とか…
全部が 新鮮で憧れのものだった
キッチンは凄く狭かったけど
その頃の僕には 凄く広く感じて いつか自分でも こんなキッチンで料理が作りたいと思っていた。
修業時代の話になる
僕は毎日 怒られてばかりだった
怖い親方だった。
無口で滅多に口なんて聞いてくれないし、料理の事なんて何にも 教えてくれなかった。
僕は親方が嫌いだった
でも、親方はカッコ良かった 何でも作れるし 何でも知っていた
狭いキッチンだから 親方は すぐ近くにいるのに
凄く偉大で遠い存在だった。
僕は 早く 一人前になりたくて
親方に認めて貰いたくて、生意気な事ばかりして
その度に 怒られて 泣かされて…
親方は僕の事は何でも分かっていた
僕がサボった事も、見えない努力も
だから、親方が嫌いだった。
きっと 今でも 親方には認めてもらえないだろう
だから 今でも この先も ナポリタンを 作ろう思う
ただ、玉ねぎとピーマンとベーコンをバターとケチャップで炒めるだけなのに
味が深くて 美味しかった 親方のナポリタン。
何にも教えてくれなかったけど、いろんな事を教えてもらった
そんな 親方を超えたいから…
大人のナポリタン 900円 親方は 高いって言うかもな。笑